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旅をする生態系

知っているようで知らない自然のこと

燃えるヨセミテ国立公園

国立公園

アメリカ、カリフォルニア州に位置するヨセミテ国立公園は、アメリカ国内においてイエローストーン国立公園に次ぐ人気を有する国立公園です。1984年にユネスコの自然遺産に登録され、アメリカ国内外から年間に400万人を超える観光客が訪れています。その広さは約3,000平方キロメートルで、東京都の約2倍の面積を誇ります。

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www.visitcalifornia.com

 

世界最大の一枚岩であるエルキャピタンをはじめ、ボルダリング発祥の地とされるCAMP4のミッドナイトライトニングなど、クライマー達を惹きつけてやまないスポットが無数に存在し、その人気は観光客のみにとどまりません。

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 そんな魅力溢れるヨセミテ国立公園ですが、時々山火事が発生します。山火事は乾燥した夏季に落雷などによって自然に引き起こされます。アメリカでは1年に東京都一個分ほどの面積の森林が燃えることも珍しくありません。

 

しかし、山火事によって美しい景観が燃えてなくなってしまうのは人間にとって都合がよくありません。国立公園を管理するアメリカ国立公園局はせっせと山火事を消火し続けました。その結果、本来ならば自然発生する山火事で燃えるはずだった植物(燃料)がどんどん育ちました。最後には満タンのガソリンに火をつけたような山火事が発生して全てを燃やし尽くしました。

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また、山火事は生態系の新陳代謝を促す役割も担っています。山火事の熱を感知して芽を出す植物もあり、山火事によって生態系は次の姿へと移り変わっていきます。ジャイアントセコイアなども山火事と共に生きてきたとされています。山火事は生物多様性を推進するエンジンとも言えるでしょう。

 

takagi.hatenablog.com

 

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このことを教訓にアメリカ国立公園局は、重点観光地域や住宅地で発生した山火事以外は消火活動を行わないという方針を打ち出しています。それでも、観光と生態系保全のジレンマはまだまだなくなりそうにはありません。

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