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旅をする生態系

知っているようで知らない自然のこと

ジャイアントセコイアとデスバレー

ジャイアントセコイア(Sequoiadendron giganteum)は地球上に現存する最も体積が大きな樹木です。アメリカ西部のシエラネバダ山脈の西側に生えており、セコイア国立公園やヨセミテ国立公園でその姿を見ることができます。ちなみに体積は世界最大の動物であるシロナガスクジラの20倍以上とされています。なお、世界最大の生物はオニナラタケというキノコ(菌類)のようです。樹齢は約1000〜3000年と言われており樹木の中では最高齢という訳ではありません。また高さも約80〜90mであり、コーストレッドウッドという種に劣ります。しかし、これほどまでに「巨木」という言葉が似合う種は他にいないでしょう。

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ヨセミテ国立公園ジャイアントセコイア

 

成長した姿は巨大ですが、ジャイアントセコイアの松ぼっくりは5cmほどと控えめです。近くに生えているシュガーパインという種の松ぼっくりは30cm近くの大きさがあります(写真左)。近いうちに解決したい疑問の一つです。

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ジャイアントセコイアがシエラネバダ山脈の西側に生えている理由は海と山脈の位置関係にあります。太平洋で湿気をたっぷり吸収した雨雲は東へと進みます。そこに立ちはだかるのが標高3000mを超える山々で構成されるシエラネバダ山脈です。雨雲は湿気を含んで重いため、シエラネバダ山脈を超えるために手前(山脈西側)で雨を降らします。こうしてヨセミテは豊富な雨に恵まれたため、ジャイアントセコイアのような巨木や多様な生物を育むことができました。

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ヨセミテ国立公園にはカリフォルニア州に見られる生物のうち、およそ20%もの種が住んでいると言われています。

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一方で、シエラネバダ山脈の東側は雨がほとんど降りません。そこには荒涼とした風景が延々と広がっており生命の躍動を感じません。こちらも国立公園に指定されており、デスバレー(死の丘)と呼ばれています。

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巨木と死の丘を隔てるのは山脈であり、生態系が地形によってコントロールされる代表例でした。