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旅をする生態系

知っているようで知らない自然のこと

生物多様性は必要か?

解説

多様性が大切!といった意味合いのスローガンは、現代社会において広く使われています。人材の多様性、文化の多様性、価値観の多様性など、現代社会において多様性は社会の変化と発展に重要な要素であるとみとめられています。

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私が専攻する生態学においても生物の多様性、つまりは生物多様性は自然環境や人間社会にとって守るべき重要な要素だということが共通認識となっています。

 

大辞林(第三版)より、

せいぶつたようせい【生物多様性
遺伝子・生物種・生態系それぞれのレベルで多様な生物が存在していること。

 

1. 遺伝子の多様性

同じ種でも遺伝子が異なることによってさまざまな差が生まれます。例えば同じヒトでも体格から髪の毛や肌の色まで、大きな差があります。また、遺伝子の違いによって病気への耐性なども異なり、流行病で全滅を避けることができると言われています。

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2. 生物種の多様性

これが一番イメージしやすく、単純に多くの生物種が居ることを指します。時折、遺伝子の多様性だけでは乗り越えられない事態が発生することがあります。6500万年前の隕石衝突で地球の環境は急速に寒冷化して、恐竜は絶滅したと言われています。ところが、寒さに強い哺乳類などは生き残ることができました。

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3. 生態系の多様性

森林、川、湿原、湖、海などいろいろなタイプの自然(≒生態系)があることです。生態系が異なることによって生物種や遺伝子の多様性が育まれています。

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これらの生物多様性は生物が絶滅するリスクを減らすだけではありません。

有名な進化論を唱えたチャールズ・ダーウィンは著書「種の起源」で生物多様性がもたらす利益について以下のように言及しています。

 

「さまざまな植物が生えている場所は植物の生育が良くみえる」(意訳&抄訳)

 

現在、盛んに議論が行われている生物多様性が自然の恵み(=生態系サービス)をもたらすという理論の源流の一つでです。